令和7年10月4日(土)に、対面とオンラインで開催した「金沢がん共生まちづくり3.0地域連携会議「第2回がっぱ会議」について開催のご報告をいたします。
1.日時 令和7年10月4日(土)18時~20時
2.場所 元ちゃんハウス及びオンライン
金沢市石引4-4-10 越屋メディカルケアビル
3.参加者 金沢市等の企業・団体および当会より 延べ17名
4.内容報告
前回の「第1回がっぱ会議」での意見交換をもとに作成したアンケートにつきまして、地域団体の皆さまにご協力をいただきました。その結果、「がんについて知りたい」「がんについて触れてよいのか分からない」といったお声を多く頂戴いたしました。
この結果を受けて、今回は松原病院の医師・竹川茂先生を講師にお迎えし、「支援する人たちのがん患者についての理解を深めるため」と題した講演を行っていただきました。講演後にはご講演への質疑応答と合わせて日ごろの活動で感じている課題を共有し、支援の在り方について理解を深める機会といたしました。
(1)心の状態の変化に合わせたコミュニケーション
がんと診断された方の心の反応は、一般的に①ショック・混乱期、②不安・落ち込み期、③新たな生活への出発期の3段階をたどるといわれています。特に①や②の段階にある方に対しては、励ましの言葉がかえって負担になる場合があります。しかし、励ましの言葉以外にどんな言葉をかけたらよいのか、と迷う時もあるでしょう。そのような時には無理に励ますのではなく、「どのように辛いのか」「どれくらい辛いのか」を丁寧に伺うことが大切であると先生からご助言をいただきました。話をする中で自分の気持ちを整理できることもあります。同じ経験を持つ方が「自分もそうだった」と共感することで、「一人ではない」「今の自分の気持ちは自然な反応である」と感じてもらえるのではないか、との意見もありました。
(2)自分の心を守るコミュニケーション
がんを告知された方から相談を受ける際、親しい関係であればあるほど、支援する側もショックを受けることがあります。また、相手の不安や悲しみに強く共感するあまり、自分まで辛くなってしまうこともあります。そうしたときには、「俯瞰して自分を見る」ことを意識することが大切であると先生から助言がありました。少し距離を置いて状況を見ることで、相手のつらさに引き込まれすぎず、自分の心を保つことができるそうです。支援を続けていくためには、支援する側自身の心の健康を守ることも欠かせません。
元ちゃんハウスは、がんと診断されたご本人・ご家族以外だけでなくがんに影響を受ける全ての方の場です。かねてより、我々の広報力は課題としてあがっておりますが、がんに影響を受ける全ての方の場であることをより一層広めていきたいと思っております。
(3)信頼できるがん情報の入手方法
現在、書籍やインターネットなどにがんに関する情報があふれていますが、そのすべてが正しいとは限りません。誤った情報に惑わされると、がん患者ご本人やご家族が不安を抱いたり、誤った判断をしてしまうおそれがあります。そのため、正しい情報源を知り、信頼できる情報を入手することが大切です。確かな知識を持つことで、がんの相談を受けた際にも安心して対応でき、適切な助言や支援につなげることができます。また、「正しい知識の引き出し」を増やしておくことで、支援する側自身の安心にもつながり、今後の地域でのがん支援活動をより確かなものにしていけると考えられます。
がんとむきあう会としても、元ちゃんハウスに来ていただいている方々にはがんについての一般的な情報や病院の相談窓口の案内のご説明はしております。しかし、実際元ちゃんハウスでご相談はされなくともHP等をご覧になった方々が正しい情報を得られる場所の情報提供について会として検討を進めねばと思っております。
以上です。